3次元動作解析装置マイオモーションを用いた歩行動作への介入について
当院理学療法部門では患者さんにより早くより良い歩行の獲得を目的に理学療法士の標準的な評価治療に加え、三次元動作分析装置マイオモーション(下の写真)を用いた評価治療を行っています。
理学療法士の目による観察とマイオモーションから得られた結果から現状の歩き方を定量的に評価することができ、患者さんと共に課題を共有し、治療計画を立案、そして、治療効果を確認し治療の一助にしています。
実際の活用例を掲載します。
発症から1年が経過された脳卒中を呈された50歳代男性で歩くと腰が痛む状況とのことでした。マイオモーションのデータから歩行時右足で体重を支えるときに股関節が伸びず腰に負担がかかっていると考えられました。また、足を降りだす時には膝が曲がりにくい状況でした。
まず、股関節を伸ばすこと、膝関節を曲げるためには足首の力が重要であることを共有し足首の筋力強化練習を中心に実施しました。その結果、理学療法直後には股関節の伸びが約15度、膝関節の曲がりが約20度増大し、歩容改善が認められました。歩行速度も0.78m/sから1.03m/sに改善し患者さんも歩きやすいとおっしゃられ、治療効果を判定し、共有します。
このように理学療法士の目で分析し、さらにマイオモーションのデータから患者さんと現状、課題、効果を共有し目的に向けて進めていくことでよりよい理学療法が提供できると考えております。
今後もより質の高い理学療法を提供できるよう進めていきたいと考えます。
理学療法士 伊藤大輝 前川遼太