おうみリハビリだより

近江温泉病院 総合リハヒリテーションセンターの回復期リハ病棟・介護医療院・医療療養病棟・認知症治療病棟・ 近江デイリハセンターの理学療法・作業療法・言語聴覚療法の紹介

退院されたAさんからメールを頂きました!

回復期病棟を退院された50歳代男性のAさんからメールを頂きましたので紹介させていただきたいと思います。(*ご本人より許可を得て掲載しております)

Aさんは脳卒中を呈され当院回復期病棟を経て自宅退院された方です。

以下にメール内容を添付します。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・

X月にA病院から近江温泉病院に転院、約5ヶ月間、退院まで長い間お世話になりありがとうございました。

X-1月に脳出血を発症してA病院に入院していましたが、転院の日も自分がどんな病気かも理解できていませんでした。ただ右手右足が動かないことは車椅子に座っていて分かりました。

 車の中でソーシャルワーカーの辻尾さんにいろいろ説明して頂いた事も充分理解できていない状態だったと思います。ましてや歩いて退院出来るとも思ってもいませんでした。これから何が始まるかもです。

 近江温泉病院に転院した日の記憶は作業療法士さんがたくさん来ていろいろ私の取り扱いについて話しておられた事です。それ以外は余り覚えておりません。

リハビリは次の日から始まりました。言語、作業療法理学療法とありましたが最初はいろいろなテストだったと思います。その時はまだ歩く歩ける事など微塵も考えませんでした。

 数日経った日、装具を付けられました。どでかい装具を。そして4点杖を左手に持たされ、杖をつき右左で脚を出して歩きなさいと言われました。そんな事で歩けるはずは無いと思いましたが、杖、右、左と言いながら左手で持った杖を前につく、右足を出す、左足を出すの順で動かしてみたらなんと出来ました。杖左右だったかもしれません。装具でガチガチにはなってましたが歩けました。私の歩行訓練はそこから始まったと思います。その段階ではまだ装具や杖のない状態で歩くなど夢のまた夢だったと思います。そこから装具を作ってもらい歩行訓練を地道に行ってもらいました。

 装具をつけ、杖をついた歩行から装具が外せるようになり、杖が不要になるまで回復する事が出来ました。理学療法士の皆様、作業療法士の皆様、言語聴覚士の皆様本当にありがとうございました。不真面目な生徒で申し訳ありませんでした。まだ麻痺が残っておりますが、これからも精進して日常生活の中で少しでも良くなるようリハビリして参りたいと思います。入院中は本当にありがとうございました。つづく。

お手紙いただきありがとうございました。

「そんなことで歩けるはずは無い」「歩くなど夢のまた夢」という気持ち、改めてリハビリに対する不安や歩行再獲得の重要性を感じました。Aさんが不安な気持ちを持ちながらも毎日リハビリに励まれ、リハビリの時間以外にも積極的に自主練習されていたのを思い出します。退院時には装具なし、杖なしでの歩行が再獲得できて本当に良かったと我々スタッフも感じています。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

Aさんのお手紙にもありましたように当院では入院早期から必要に応じて装具(写真参照)を使用してのリハビリ(装具療法)を実施しております。装具は麻痺によって力が入りにくくなった足を支えてくれるもので、装具を使って立つ練習、歩く練習等を実施し、麻痺した筋肉の回復を促します。そのため、目的は歩くだけでなく車椅子とベッド、トイレ間の乗り移りや立って行う日常生活動作全体と多岐にわたります。装具療法の他にも、筋力トレーニング、バランス練習などリハビリ内容はたくさんありますが、患者さんの不安な気持ちに寄り添いながら質の高いリハビリを提供できるよう努力していきたいと考えております。

f:id:oumiriha:20210114143240j:plain

f:id:oumiriha:20210114143335j:plain


 

理学療法士 前川遼太