おうみリハビリだより

近江温泉病院 総合リハヒリテーションセンターの回復期リハ病棟・介護医療院・医療療養病棟・認知症治療病棟・ 近江デイリハセンターの理学療法・作業療法・言語聴覚療法の紹介

最高の贈り物を「ありがとう」

秋の風を感じる季節の訪れと入れ替わるように、回復期病棟に入院されていた女性が退院されました。私たちスタッフに「ありがとう」の自筆のメッセージを残して。
 私たちが、もし、誰も知る人のない、言葉も通じない国に突然一人ぼっちになったら、どんな気持ちになるでしょう? この女性は、失語症という障害があり、入院当初は単語でのやりとりが精一杯で、日常生活に必要なコミュニケーションがとりづらい状態でした。突然の病による障害に、ご本人だけでなく、ご家族も様々な思いをめぐらせた入院生活であったことと思います。けれども、熱心にリハビリに取り組まれ、また、ご家族の支えと理解もあり、女性は徐々に言葉や身の回りのことが分かるようになり、他の患者さんと雑談されるまでになりました。現在も、訪問リハビリテーションで訓練を続けておられます。
 まだ、すらすらと文字を書くにはいたらずとも、一所懸命に書いてくださった「ありがとう」は私たち病院スタッフにとって最高の贈り物となりました。この言葉を大切に、これからも患者さんと接していきたいと思います。(OT多田真理子)