おうみリハビリだより

近江温泉病院 総合リハヒリテーションセンターの回復期リハ病棟・介護医療院・医療療養病棟・認知症治療病棟・ 近江デイリハセンターの理学療法・作業療法・言語聴覚療法の紹介

外来にて失語症の方のオンライン家族交流会

外来にて失語症の方のオンライン家族交流会を実施しました。

 

   失語症のある患者さんは、自分の意思を十分に伝えることが困難であるため、コミュニケーションに支障や不安があり、地域社会への参加が大きく制限される場合があります。

   失語症患者さんに向けて、新型コロナ感染症が拡大する前は、念に数回、対面での家族交流会を行っていましたが、コロナ禍では、そうとはいかず直接会うことが叶わないため、今回はオンラインの交流会を企画いたしました。

 自己紹介から始まり・・・・病気について分かち合ったり・・・・会話を楽しんだり、リハビリでの様子を話す中、「生活の悩み」、「共に生活を送る家族の話」へ広がり、なかなか「上手く伝わらないことに関してけんかになることも・・・」と話され、うんうんとお互い頷き意気投合されていました。

 ご家族の意見が失語症のある方の励みにもなり、これからの生活の幅が広がる一つのきっかけになった交流会になれば・・・・・このような機会が地域社会へのステップアップを図る場になれば・・・と、改めて思いました。

 

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 当院では、コロナ禍で面会制限がづづく中、オンライン面会を実施しています。また、ST訓練の中でも、家族さんに協力をおねがいしオンラインで家族さんにも参加して頂きながらのコミュニケーションの場をブログラムとして設定することも、実施しています。

 コロナ禍での模索の日々かまだ、続きます。

 

言語聴覚士 上田麻美

作業療法へのいざない・・・当院作業療法ストーリーパネルの紹介

 今年で7年目、東近江圏域で働く作業療法士の仲間たちと、「作業療法」について、これから進路を考える学生たちや、お子さんを抱える市民の皆さんに、ご理解を頂くための啓発イベント「作業療法へのいざない」を開催しています。

 今年は、会場を八日市ショツビングセンター アピアの4階情報プラザで、今週から8/30まで開催しています。

 今回も、様々な病院での作業療法のストーリーパネルが数多く展示されていますが、その中から、当院の作業療法のストーリーパネルを紹介します。

是非、ご覧ください。

 

 

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総合リハビリテーションセンター

部長 石黒 望 (作業療法士)

3次元動作解析装置マイオモーションを用いた歩行動作への介入について

 当院理学療法部門では患者さんにより早くより良い歩行の獲得を目的に理学療法士の標準的な評価治療に加え、三次元動作分析装置マイオモーション(下の写真)を用いた評価治療を行っています。

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 理学療法士の目による観察とマイオモーションから得られた結果から現状の歩き方を定量的に評価することができ、患者さんと共に課題を共有し、治療計画を立案、そして、治療効果を確認し治療の一助にしています。

 

 実際の活用例を掲載します。

 発症から1年が経過された脳卒中を呈された50歳代男性で歩くと腰が痛む状況とのことでした。マイオモーションのデータから歩行時右足で体重を支えるときに股関節が伸びず腰に負担がかかっていると考えられました。また、足を降りだす時には膝が曲がりにくい状況でした。

 まず、股関節を伸ばすこと、膝関節を曲げるためには足首の力が重要であることを共有し足首の筋力強化練習を中心に実施しました。その結果、理学療法直後には股関節の伸びが約15度、膝関節の曲がりが約20度増大し、歩容改善が認められました。歩行速度も0.78m/sから1.03m/sに改善し患者さんも歩きやすいとおっしゃられ、治療効果を判定し、共有します。

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 このように理学療法士の目で分析し、さらにマイオモーションのデータから患者さんと現状、課題、効果を共有し目的に向けて進めていくことでよりよい理学療法が提供できると考えております。

 今後もより質の高い理学療法を提供できるよう進めていきたいと考えます。

 

 

 理学療法士 伊藤大輝 前川遼太

短時間デイ 野菜の収穫と調理

 残暑が続く中、近江温泉病院の畑の野菜たちは元気に成長しています。こちらは、ししとう、ピーマンです。

 

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 そして、今回はそんな野菜をおいしく調理したひとコマを紹介します。

 

 献立は、おにぎり(梅干し)、ピーマンの肉詰め、焼き茄子とししとう

 

「減塩食でいこう!」「おにぎりの具はやっぱり梅干しやな」(これは満場一致)とみなさんとワイワイ言いながら決めました。その日の朝に収穫して、今日は特別動作練習の日ということで実際に調理練習です。

 

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ピーマンを半分に切って肉を詰めるか、丸まる肉詰めするかでワイワイと話し合いながら。今回はピーマンを半分にせずに肉を詰めたのですが、ピーマンとお肉が外れることなく、きれいに焼き上がり、長年の悩みを解消することが出来ました。新しいアイデアを試してみるのも面白いですね。

 

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ナスビ・ししとうはごま油で素焼きに。素材の味を楽しみました。

 

 

 

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香ばしく焼きあがりました!

 

 

おにぎりも握って・・・・・脳梗塞を発症され、手を使うときにぎこちなさが残っている方にはしっかりと両手を使って力を込めるいい練習にもなります。

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 退院後ご自宅で、トイレや入浴、着替え等の一通りの生活動作は安定して行えるようになった方は、次のステップとして、多くの方が、ご自身の役割の再獲得に関心が向けられると感じています。ご自宅から介護保険を使って週に1.2回リハビリに通い、少しずつ自宅の生活を豊かに、意味のある活動(大切な・価値がある活動)が行えるように実際の動作の練習も行っています。

 

 実際に経験し、成功体験を積み重ねることは、次の挑戦に導いてくれると言われています。自信を無くされていた方も、一つの意味のある活動の成功が、自宅での様々な挑戦に・・・生活の広がりになっていくと考えています。

 

 これからも一緒にチャレンジしていきましょう!

 近江デイリハセンター(短時間デイ)

 西山亜由美(作業療法士

 

パーキンソン教室のアンケート結果が届きましたので報告します!

 昨年度、滋賀県東近江保健所から依頼を受け、パーキンソン病患者・家族会「のびのび友の会」の方々に、当院理学療法士が講義と体操指導をさせて頂きました(詳細は過去のブログを参照して頂ければ幸いです)。今回はアンケート結果が届きましたので報告させていただきます。

 以下がアンケート結果です。

 「とても良かった83%」、「よかった17%」、「ふつう0%」、「よくなかった0%」   でした。

 その理由として

 ・理学療法士の専門的な指導であった。

 ・理学療法士の具体的で適切な説明と実施は私の不安や悩み、弱気になっている私、日常的に行えるリハビリに大きな参考資料になった。私にとって今までにない素晴らしい経験であり目から鱗であった。

 ・自分に合った内容であった

 ・体を動かした後動きやすかった。

 

 内容は、講義にて、パーキンソン病の病態や体操の意義、困った時(手のふるえ、歩きにくいとき、体が伸びない等・・・)の対処方法などをお話しさせていただきました。また実技では、自宅でできる体操をお伝えするとともに、実際にその場で行って頂き、それぞれ身体にあった指導をさせて頂きました。みなさん、とても真剣な眼差しで聞いて下さいました。

 講義・体操終了後は、日常生活で困っていることなど、積極的にみなさんからご質問を頂き、一つ一つお答えさせて頂きました。

 みなさんの積極的な姿勢から、基本的な病気の知識や実際の日常生活上でのそれぞれに合った対応方法の指導が重要なことを改めて感じました。

 今後もよりよい講義、体操指導ができるよう日々精進していき、近江温泉病院として地域のニーズにこたえていければと考えております。

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理学療法士 前川遼太 久保田友季子 阪下沙紀




 

 

理学療法部門 定期勉強会を開催しています!

 当院理学療法部門では理学療法の質向上目的で感染対策を実施した上で定期的に勉強会を実施しております。基本的には役職者が講師として勉強会を行っており、4月から6月までに以下の内容で10回実施しました。基本的な知識から臨床応用、実技まで幅広く実施しており、少しでも患者さんのちからになれればと考えております!

 

①肩関節の機能解剖と評価治療

②仮説検証作業

③股関節の機能解剖と評価治療

ケーススタディ

⑤歩行、移乗動作についての標準的介入

⑥姿勢評価と分析及び標準的介入

⑦寝返り動作と起き上がり動作の評価治療

⑧フィジカルアセスメント

⑨立ち上り動作の評価と治療

⑩歩行動作の評価と治療

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今月は新人のケーススタディーを実施しています。みんなで勉強して少しでも患者さんの力になれるよう努めております。

新人ケーススタディーが終われば、またブログで上げたいと思います!

 

理学療法士 前川遼太 久保田友季子 木村友哉 

梅ジュースを作りました!

暦上の梅雨入りである「入梅」が過ぎ、認知症病棟の患者さん達と一緒に梅ジュース作りをしました。

 

今回は料理に覚えのある女性患者さん4人にお願いをしました。

病棟から作業療法室までお誘いすると「もう歳だし・・・」、「嫁さんに任せてるから全部忘れた」、「私に出来るやろか・・・」と皆さん消極的なご様子でした。

 

材料の梅、氷砂糖、漬けるためのビンを目にすると表情はパッと明るく一変!

「今から何漬けるんや?」、「梅干しか?梅酒か?!」と次々に尋ねて下さいます。

 

普段は一つ一つの動作に声かけが必要なことが多い方も今日は様子が違います。自ら梅に手を伸ばし、次の工程を説明する前に作業を進めていかれます。

「いい匂いやな」、「粒ぞろいでいい梅や」など自然と会話が口からこぼれ、作業療法室の台所が賑やかに。

皆さんの手際があまりにも良すぎて、写真を撮る間もなく作業が進んでしまいました(笑)

最後に梅と氷砂糖、リンゴ酢をビンに入れ、お一人ずつビンを揺すって頂きます。

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「私は手がアカンで・・・」なんておっしゃっていましたが、力強く揺すって下さいました。

病棟へ帰るエレベーターの中でも「いつごろ出来るんや?」、「出来上がりが楽しみやなぁ」と会話が止まりません。普段はどんな活動にお誘いしても「私は家に帰るからそんなことしてられません」と拒否をされるある患者さんは「こんな作業ならまた誘ってほしいわ」と言っておられました。

 

認知症治療病棟に入院されている患者さんは認知症になられ、日常生活のいろいろなことが思うようにできなくなってこられたことを感じながら、不安を抱えて過ごされている方が多くいらっしゃいます。また、周りの人からも「何も出来なくなってしまった」と思われていることも多々あります。

自分自身への自信を失くし、これまでしてきたことにも新しい活動にも意欲を持てなくなってしまう日々の中で、今回のような馴染みのある活動を同世代の方と一緒に行うことで「楽しい!」、「懐かしい!」、「私も出来る!」といったプラスの気持ちを引き出せたのではないかと思います。

『昔とった杵柄』・・・認知症にかかってもこれまで培ってこられた経験と知恵は身体が覚えておられます。人生の先輩としてたくさんのことを教えて頂けるよう、そして何より患者さんの「できた!」と笑顔に寄り添えるよう、これからも関わっていきたいと改めて感じた時間でした。

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梅ジュースができるまで3週間。きっと3週間後には梅ジュースをみんなといっしょに作ったことは忘れているかもしれません。しかし、一緒に作った時の楽しい気持ちは思い出して頂けるでしょう。美味しい梅ジュースができあがった頃に皆さんと一緒に、また楽しい時間を共有したいと思います。

 

作業療法士 久田