おうみリハビリだより

近江温泉病院 総合リハヒリテーションセンターの回復期リハ病棟・介護医療院・医療療養病棟・認知症治療病棟・ 近江デイリハセンターの理学療法・作業療法・言語聴覚療法の紹介

バリアフリーガーデニング

園芸をする際、こんな悩みはありませんか?

 

「園芸をしたいけど・・・地面にしゃがむことはできないし・・・・」

「畑しごとが好きだったけど、車椅子じゃ植物を植えたりすることが難しい・・・」

 

そんな悩み解決のために作ったのが、この高さのあるプランターです。

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車いすでも作業しやすいように、足がプランターの下に入りやすく設計されています。

さらに、立ちながら、しゃがむことなく活動できるような高さに設定されています。

 

毎週一回、通所リハの時間にコツコツ作って頂きました。

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脳出血により左片麻痺のAさんですが、趣味の日曜大工の力を活かして設計から、材料選び、作製に至るまで担当していただきました。

 

作業療法室にある、万力で木を固定して、のこぎりで裁断したり・・・釘を打ったり・・・

 

自宅でも奥さまとDIYを実践されたと伺いました。

通所リハで体験したことで自信を持っていただき、ご自宅での活動に繋がっていくことを改めて実感しました。

 

実際にやってみないと分からない。経験することで様々な発見があることも“作業”の魅力だと思います。

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完成品は寄せ植えを行って、お正月の門松飾りにしました。

葉ボタンとビオラの脇を固めているのは、行く年のうしと来る年のとらですよ。

 

 

近江デイリハセンター(短時間通所リハビリ)

作業療法士 西山亜由美

 

訪問リハビリ 2021年度 往診ブログ       ~近江訪問リハ・ステーションより~

   近江訪問リハ・ステーションでは、リハビリスタッフがご家庭まで訪問し、様々なリハビリテーションを行い、利用者さんの心身機能の維持・回復だけでなく、役割の再獲得や余暇活動の実施などを目的としています。 在宅での心身機能の維持・改善、ADL(日常生活動作)指導、また状況に応じ、住居改修のアドバイス福祉用具の選定を行います。当院のある東近江市近隣地域だけでなく、お住まいが彦根米原方面でもサテライト彦根より訪問させて頂いています。

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    当事業所では、平成30年度介護報酬改定「訪問リハビリテーションの提供にあたっては、事業所の医師が利用者を診察し、リハビリテーション計画を立て、それに基づきリハビリテーションの指示を出すことが原則…【以下、略】(参照:訪問リハビリテーションにおける専任の常勤医師の配置の必須化)」に基づき、現在に至るまでの約4年間、毎月、医師を含めた会議を実施し、利用者さんの現状報告とリハビリテーションの目標共有を行っています。その月には往診(リハビリテーション計画作成の係る診察)を行い、医師とリハビリスタッフとの連携を行っています。また、必要に応じ、リハビリテーション会議を開催し、より充実したサービス提供を図るため、利用者さん・ご家族・各種サービス間でも情報共有を行っています。

 

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 今後も高齢化が進む中、利用者さんの生活を支えるサービスとして、訪問リハビリテーションを必要とする方に必要なサービスを効果的に提供していきたいと考えています。

 ★現在、理学療法士3名・作業療法士3名・言語聴覚士1名が、それぞれのニーズに応じて連携して支援させて頂いています。

 

認定訪問療法士 瀧沢 幸美 (作業療法士)

医療療養病棟-リハビリテーションの一環として患者様にご家族へのお手紙を書いていただきました

 世間にコロナ禍が広まって2年ほどが経ち、長い期間入院されている患者さんとご家族は直接顔を合わせることが難しい日々が続いています。

 

 当院の医療療養病棟に入院されている患者さんのAさんとご家族も直接顔を見に行けないならせめてもと、毎週のように丁寧な手書きの手紙を送って下さっていました。

 

 手紙を読まれたAさんも「早く会いたいなぁ」「家族は元気にしているか心配なんだ」と、お互いの会いたい、顔を見たいという思いは日に日に募っておられました。

 

 そこで、リハビリテーションの一環としてご本人に手紙の返事を直筆でお書きいただけることを目標に関わりをスタートしました。

 

理学療法では、手紙を書く間安全かつストレスなく座っていられることを目標に、両足の関節が座る姿勢に合わせてしっかりと動かせるための訓練と、床ずれができることのないよう姿勢調整も実施しました。

 

言語聴覚療法では、口からしっかりと食事をすることで栄養を摂ることを目標に飲み込みを安全に行ないながら、ご自身の言葉で手紙の文面を考えて頂けるよう訓練を行ないました。

 

そして、作業療法では上記で獲得した能力を最大限に発揮し、思いのこもったお手紙を書ききれるよう「鉛筆で綺麗に字を書ける」こと、「想いが伝わる手紙の文面を一緒に考える」という活動を通じて、「手紙で想いを伝える」という、Aさんにとっての大切な作業に取り組みました。

 

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「え―っと、拝啓ってどういう漢字やったかなぁ…」

 

「これじゃあ、文が硬すぎるなぁ。読んでくれへんわ。」

 

「ここまでは消そう。書き直すわ」

 

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・・・何度も何度もコツコツと消しては書き、消しては書きを繰り返される Aさんの表情はとても真剣。

 

そして、ようやく書き終えたお顔は・・・これまでで一番の笑顔でした。

 

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そのAさんの満面の笑顔の写真を、一生懸命書き上げたお手紙に同封しご家族にお送りした所、大変喜んでいただき、リハビリテーションスタッフ宛に丁寧なお礼のお手紙を手書きでいただきました。

 

スピードや効率化で便利になった現代社会で、敢えて会えない人との時間を想いながらじっくりと綴る「手紙」というコミュニケーションツールの持つ奥深さを改めて感じることができ、患者さんとご家族との想いを少しでもつなぐお手伝いが出来たことを大変嬉しく感じた出来事でした。

〈ご本人、ご家族の方にご了解をいただき紹介させていただきました〉

 

 

              理学療法士 黄瀬 颯斗  

              作業療法士 木戸 隆文  

              言語聴覚士 上田 麻美

介護保険をお持ちの方で、装具についてのお困り事はありませんか?

 近江デイリハセンター(通所リハビリテーション)では、介護認定を受けられている方に対して、装具に関するご相談を受け付けています。

 

 例えば、
 □ お身体の機能が変化した(強くなった、弱くなった、体重変化、むくみ等)
 □ 生活環境が変わり、現在の装具が適していない。
 □ 装具(全体、ベルト、ソール)が古くなってきた。
 □ 脳血管障害後遺症等で新たに装具作製を考えている方
 □ 使用中の装具の再作製を行いたい方
 □ 足や膝の変形により痛みが生じている方
 □ 装具の適合評価や修理・メンテナンスをしたい方
 □ 装具での歩行練習や動作指導を希望される方

 

 お身体の状態が日々変化するのに伴い、装具も定期的なメンテナンス、確認が必要になることもあります。近江デイリハセンターでは、1~3ヶ月程度の期間で、装具に関する動作指導、歩行練習を実施するご利用プランを提案し、自宅生活において装具を適切にご使用できるように取り組んでいきます。
 何かお困り事がありましたら、お気軽にご相談下さい。

 

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                    近江デイリハセンター 理学療法士 石山

総合リハビリテーションセンターの「SDGs」について話し合いました。

 2015年国連持続可能な開発サミットにて「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。2030年に向けて、持続可能な開発目標(SDGs)達成を目標に各国・各団体が協力して取り組んでいます。日常的に、各種メディアや団体からの情報発信、新聞等の様々な特集、紙面において、「SDGs」という文字を見聞きすることが増えました。企業活動のみならず学校教育においても一般的な用語となっています。

 先日、総合リハビリテーションセンターでは、「SDGsと総合リハビリテーションセンターの取り組み」と題して、現在部署で実践している取り組み・業務を、17のSDGsと比較して取りまとめ、院内で掲示する機会を持ちました。

 私たちが日々実施する業務も、SDGsのフレームを通すといくつかの項目に一致していることがわかります。今回の取りまとめ作業を通して、病院、リハビリテーションセンターがこれから担うべき役割、進む方向性について考えるきっかけになりました。

 「人にやさしい病院・リハビリテーションセンター」に発展を続けるため、今回の学びを活かしていきたいと思います。

 

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総合リハビリテーションセンター 理学療法士 石山達也

新年あけましておめでとうございます。

2022年・令和4年・・干支は壬寅(みずのえ・とら)・・寅年です。

「成長」と「始まり」にふさわしい年

新たな年・新たな気持ちで皆様のリハビリテーションを支援させて頂きます。

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そして・・・リハビリのベランダでは・・・梅が・・つぼみを膨らませています。

ベランダの周りは雪ですが・・・・着実に春が近づいています・・・待ち遠しい今日この頃です。

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総合リハビリテーションセンター

部長 石黒 望

 

 





回復期リハビリテーション病棟・・ 退院後の生活って?~その人らしさを繋ぐ~

先月、回復期に入院されていた80代女性Aさんから連絡がありました。

「作った帽子をお世話になった近江温泉さんに寄付できないか。」

という内容でした。

 

Aさんは昔から手芸に健康麻雀、地域ボランティアなど様々なことに興味をもち、人との交流を楽しまれていました。入院中も周りを明るくしてくれる存在でした。

 

「ひとりでトイレに行けるようになりたい」と目標達成に向けてリハビリを進めていましたが、入院前の体力からだいぶ低下したことで「もう歳やな。」「いつどうなっても…。」と悲観的な発言も聞かれるようになりました。

 

そのため、本人の「できるようになりたい」といった目標だけでなく、「どのように過ごしたいか」ということも何度か話し合いました。

ある日、Aさんから「これ(手芸)だけは続けられるかな…。」と病室で編み物を作りながらぽつりと言葉を出されていたのは今もよく覚えています。

 

それからは、動作練習と並行して、ものづくりを教えたり教えられたり

リハビリ以外の時間も横にならずに、座って作品を作っておられる時間が増えました。

 

入院中に作ってくださった作品たち(本当はもっとたくさんありますが)

 

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退院前の外出訓練では、歩行器を持ちながら何とかトイレまで歩くことができましたが、ふらつくことや体調がすぐれないときのために、歩行器と車椅子の併用で在宅復帰することになりました。

 

退院から約1年。コロナ禍であり、すぐにはお返事ができない状況でしたが、緊急事態宣言解除後に感染対策をはかって面会させていただきました。

車椅子をレンタルして頂いていたものは返却され、伝い歩きと歩行器で室内を動かれていました。そして、部屋にはミシンも存在していました!

 

退院後の生活では、「しんどい日もあったけど周りの人が支えてくれた。」「デイサービスでもこんなのも一緒に作れた。」と笑顔で大きな暖簾を作った写真を見せて下さいました。

 

在宅復帰してからも習慣を取り戻すまでは時間を必要とします。そこには、本人だけでなく、環境や支援者の力が大きいと面会させて頂き改めて実感しました。

外出訓練と退院前のサービス調整会議では、「作業をすることで元気になれる 生活行為申し送り表」という本人さんの身体の状態や今後の課題、支援方法の提案などを書面にて作業療法士からケアマネジャーに繋がせていただいています。

 

書面では全て伝えることは難しく、本当はリハビリ見学や自宅外泊など実際に本人さんの状態を見てもらえるのがいいのですが…このご時世。

日々手探りの中、少しでも本人の『大切にしている作業』が伝えられるよう今後も精進したいと思います。

 

手芸を続けて下さっていたこと、何より笑顔が見られたことが嬉しく思います。

素敵な作品ありがとうございます!

 

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作業療法士 神保帆束