おうみリハビリだより

近江温泉病院 総合リハヒリテーションセンターの回復期リハ病棟・介護医療院・医療療養病棟・認知症治療病棟・ 近江デイリハセンターの理学療法・作業療法・言語聴覚療法の紹介

人を幸せにする・・作業療法

事故による大けがを負い、当院の回復期リハビリ病棟に入院されたAさんと行った、作業療法について紹介したいと思います。

Aさんは、はじめは痛みがひどく、座っているのもやっと・・骨折がよくなるまで歩くこともできません。
Aさんの目標は、杖なし歩行・生活動作の獲得そして・・・職場復帰・さまざまなことをされていた以前の生活を取り戻すことです。でもまだまだ時間がかかりそうです。今、できる能力を工夫し、以前からの楽しみを継続させ、できることにチャレンジしてもらいながら、少しでも気が紛れたら、・・・・前向きに・・充実した日々を・・・そんな思いで、作業療法を開始しました。
Aさんはとても器用な方で、リハビリの合間に作業療法室の道具や設備を修理してくださいました。そこで、私はお願いをしました。
作業療法室にパチンコを作りたいんです!一緒に作ってくださいませんか?」
「どんなんや?」とAさんは興味をもってくださり、次の日には自分で色々調べてきてくださいました。
材料を私が買いそろえ、早速製作開始!でも、体が痛くて15分ほどしか続きません。それでも毎日作業され、その時間は30分・・・1時間と長くなり・・・。
そして、完成したパチンコがこちら!



滋賀県にちなんだ絵に、点数が入っています。他の患者さんにも大好評!「あー、入らへんかった、もう1回」、「50点入ったで!」楽しそうに遊ばれる姿を見て、Aさんもにこにこ。

味をしめた私は、またまたお願いをしました。
作業療法室がわかりにくいから、大きな看板が作りたいんです!」
というわけで、銅板の大作に挑戦して頂くことになりました。この頃には痛みが楽になり、1日のほとんどの時間を作業療法室で過ごしてくださるようになりました。
その作品がこちら!

すごい高級感です。

次は理学療法士から、
「いいなあ〜理学療法室もカラフルな看板がほしいなあ〜」
とリクエストを受け、タイルモザイクに挑戦。試行錯誤を重ねられ、どのスタッフよりも作業療法室にある道具に詳しくなっておられました。
「すごいね〜」とたくさんの患者さんや家族さん、スタッフに声をかけられる毎日。体が痛くて険しい顔をしていたAさんは、素敵な笑顔とジョークがトレードマークのAさんになっていました。
その作品がこちら!


とってもかわいいです。

いずれの作品もリハビリ室に展示されています。是非、直接ご覧になってください!

そして・・・3ヶ月の入院期間を経て、Aさんは杖なし歩行・生活動作の獲得を果たし、さらには走れるようになり!とっても素敵な笑顔で、元気に退院され・・・復職へ向けてあゆまれています。

はじめは、可能となった時々の能力を、定着をめざし、好きなことに取り組み・・少しでも気が紛れるようにと始めた作業活動・・・いつのまにかAさんの役割となり・・・セラピストや他の患者さんを楽しませてくれるものとなるとともに、復職へ向けた着実なリハピリのステップとなりました。
Aさん、楽しい時間をありがとうございました!また遊びにきてくださいね。

作業療法士 和辻優)