おうみリハビリだより

近江温泉病院 総合リハヒリテーションセンターの回復期リハ病棟・介護医療院・医療療養病棟・認知症治療病棟・ 近江デイリハセンターの理学療法・作業療法・言語聴覚療法の紹介

「 退院に馳(は)せる思い 」

独居で元気に生活していた90歳の男性が脳梗塞で倒れました。入院当初は、うまく動かすことができなかった右手足も日常では支障のない程度まで使えるようになり、回復期病棟入院3ヶ月後、自宅へ退院を迎える日が近づいてきました。いつも笑顔を絶やさず、スタッフにも入院患者にも明るく前向きな言葉を投げかけ続け、男性はたくさんの人から慕われる存在の一人となっていました。そんな太陽のように前向きな男性も、障害後の身体面への悩み・退院後の不安は心の中にあったようです。脳卒中になり、思うように動かない手足に失望し、まわりとの比較に落ち込み、未来への展望に不安を抱き・・・そんな時、隣にいる仲間と夕食後に心の内を語ることで自分の気持ちの整理をし、今の状況を受け入れながら日々のリハビリに励み続けていたことと思います。いつの夜も語りあった、仲間との絆を胸に退院後も温かな気持ちで生活していただけたらと感じます。そして、リハビリセラピストは、目の前の方の存在をまるごと受け止め肯定しながら、一緒に泣き・笑い、その人らしい生活を取り戻す傍らにいることができたら..と思います。 (OT山村友美)