おうみリハビリだより

近江温泉病院 総合リハヒリテーションセンターの回復期リハ病棟・介護医療院・医療療養病棟・認知症治療病棟・ 近江デイリハセンターの理学療法・作業療法・言語聴覚療法の紹介

名付けて『近江ベランダ米!』

新米のうちに…と思っていたら年が明けてしまいましたが、昨年当院のベランダで収穫したお米をおにぎりしました。
昨年の5月に発砲スチロールの箱に土をふるい、水を入れ、苗を植え、水の管理をしながら、無事に稲刈りにこぎつけることができました。その間、たくさんの患者様が成長を心配してくださり、助言を下さいました。(当院では他にもプランターでの野菜作りも行っていますが、作物の成長を通して、季節を感じ、昔のことを思い出して頂いたり、作物の成長を見に行くことを運動する目的にして下った方もおられました。)
 この米作りは、ある介護療養病棟患者さんと取り組んでいたのですが、その方は若いころから農業をされており、水の管理、肥料を入れるタイミングなど、その方の判断をもとに育てていました。リハビリ後には毎回、「米の様子を見に行きたい」と自分から仰り、米作りが生活の一部となっていました。そして収穫したお米で、おにぎりを作り、病棟へおすそ分けに向かったところ、おにぎりののったお皿を持ちながら大きな声で「ベランダでとれたお米や!」と、渡してくだいました。とても硬派な方で黙って渡されるかと思っていた私やは、驚くとともに嬉しくなりました。病棟職員も喜んで下さり、お百姓さんとしての顔を見てもらうことができました。
 高齢になったら、病気になったら、入院生活になったら…『出来ないこと』は確かに増えます。しかし、一緒に『出来ること』を見つけ、生きがいとなるものを一緒に見つけられる関わりをしていきたいと強く思いました。       (作業療法士 清水香代)