おうみリハビリだより

近江温泉病院 総合リハヒリテーションセンターの回復期リハ病棟・介護医療院・医療療養病棟・認知症治療病棟・ 近江デイリハセンターの理学療法・作業療法・言語聴覚療法の紹介

総合リハビリテーションセンターの「SDGs」について話し合いました。

 2015年国連持続可能な開発サミットにて「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。2030年に向けて、持続可能な開発目標(SDGs)達成を目標に各国・各団体が協力して取り組んでいます。日常的に、各種メディアや団体からの情報発信、新聞等の様々な特集、紙面において、「SDGs」という文字を見聞きすることが増えました。企業活動のみならず学校教育においても一般的な用語となっています。

 先日、総合リハビリテーションセンターでは、「SDGsと総合リハビリテーションセンターの取り組み」と題して、現在部署で実践している取り組み・業務を、17のSDGsと比較して取りまとめ、院内で掲示する機会を持ちました。

 私たちが日々実施する業務も、SDGsのフレームを通すといくつかの項目に一致していることがわかります。今回の取りまとめ作業を通して、病院、リハビリテーションセンターがこれから担うべき役割、進む方向性について考えるきっかけになりました。

 「人にやさしい病院・リハビリテーションセンター」に発展を続けるため、今回の学びを活かしていきたいと思います。

 

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総合リハビリテーションセンター 理学療法士 石山達也

新年あけましておめでとうございます。

2022年・令和4年・・干支は壬寅(みずのえ・とら)・・寅年です。

「成長」と「始まり」にふさわしい年

新たな年・新たな気持ちで皆様のリハビリテーションを支援させて頂きます。

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そして・・・リハビリのベランダでは・・・梅が・・つぼみを膨らませています。

ベランダの周りは雪ですが・・・・着実に春が近づいています・・・待ち遠しい今日この頃です。

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総合リハビリテーションセンター

部長 石黒 望

 

 





回復期リハビリテーション病棟・・ 退院後の生活って?~その人らしさを繋ぐ~

先月、回復期に入院されていた80代女性Aさんから連絡がありました。

「作った帽子をお世話になった近江温泉さんに寄付できないか。」

という内容でした。

 

Aさんは昔から手芸に健康麻雀、地域ボランティアなど様々なことに興味をもち、人との交流を楽しまれていました。入院中も周りを明るくしてくれる存在でした。

 

「ひとりでトイレに行けるようになりたい」と目標達成に向けてリハビリを進めていましたが、入院前の体力からだいぶ低下したことで「もう歳やな。」「いつどうなっても…。」と悲観的な発言も聞かれるようになりました。

 

そのため、本人の「できるようになりたい」といった目標だけでなく、「どのように過ごしたいか」ということも何度か話し合いました。

ある日、Aさんから「これ(手芸)だけは続けられるかな…。」と病室で編み物を作りながらぽつりと言葉を出されていたのは今もよく覚えています。

 

それからは、動作練習と並行して、ものづくりを教えたり教えられたり

リハビリ以外の時間も横にならずに、座って作品を作っておられる時間が増えました。

 

入院中に作ってくださった作品たち(本当はもっとたくさんありますが)

 

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退院前の外出訓練では、歩行器を持ちながら何とかトイレまで歩くことができましたが、ふらつくことや体調がすぐれないときのために、歩行器と車椅子の併用で在宅復帰することになりました。

 

退院から約1年。コロナ禍であり、すぐにはお返事ができない状況でしたが、緊急事態宣言解除後に感染対策をはかって面会させていただきました。

車椅子をレンタルして頂いていたものは返却され、伝い歩きと歩行器で室内を動かれていました。そして、部屋にはミシンも存在していました!

 

退院後の生活では、「しんどい日もあったけど周りの人が支えてくれた。」「デイサービスでもこんなのも一緒に作れた。」と笑顔で大きな暖簾を作った写真を見せて下さいました。

 

在宅復帰してからも習慣を取り戻すまでは時間を必要とします。そこには、本人だけでなく、環境や支援者の力が大きいと面会させて頂き改めて実感しました。

外出訓練と退院前のサービス調整会議では、「作業をすることで元気になれる 生活行為申し送り表」という本人さんの身体の状態や今後の課題、支援方法の提案などを書面にて作業療法士からケアマネジャーに繋がせていただいています。

 

書面では全て伝えることは難しく、本当はリハビリ見学や自宅外泊など実際に本人さんの状態を見てもらえるのがいいのですが…このご時世。

日々手探りの中、少しでも本人の『大切にしている作業』が伝えられるよう今後も精進したいと思います。

 

手芸を続けて下さっていたこと、何より笑顔が見られたことが嬉しく思います。

素敵な作品ありがとうございます!

 

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作業療法士 神保帆束

理学療法部門新人症例発表をさせていただきました!

 先日、新人理学療法士の症例発表をさせていただく機会がありました。

 

 日々担当患者さんと向き合う中で、悩むこともたくさんありますが、自分で勉強することはもちろん、先輩に様々なアドバイスをいただきながら取り組みました。

 発表後、先輩方から様々なフィードバックをいただき、自身の課題が明確になるとともに日々の臨床を振り返る大切さを実感しました。

 今回の経験をこれからの臨床に活かしていき、患者さんにより良い理学療法を提供できるように努力していきたいと思います。

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理学療法士1年目 

貝谷真衣 黄瀬颯人 内村剛

回復期 トマトの栽培を通して

回復期に入院されたAさん。

今まで田んぼと畑に力を注いでいました。病気により以前のように外へ出て野菜の様子を見に行く事、世話をする事ができておらず、Aさんにとっての楽しみ・大切な作業が失われつつありました。

 

「家の田畑が心配」「自分が世話しなければ…」と不安な思いが強く、もともと体を動かす事が大好きであったAさんも気分が落ち込み、毎日暗い表情ばかりでした。

 

入院生活の中でも田畑に触れてほしい。大切な作業を再び再獲得できるように。という思いから、ベランダにてトマトの栽培を提案しました。

 

プランター・土の選定など1から育て方を教えて頂きました。Aさんのこだわりは強く、「水やりはこの時間がいいよ」「支柱はこう立てるのがいい」などと、入院してから見た事のないようなAさんの活き活きとした表情がみられ、Aさんにとって本当に大切な作業なんだと心から実感した瞬間でした。

 

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毎日のリハビリでトマトの成長をみる事が楽しみの1つとなり、みるみるうちに大きく成長しました。

 

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今までは「もうできないからやって」と消極的な発言がみられていましたが、自分で立って手を伸ばしトマトを収穫し、自らシンクに立ちトマトを洗って下さるなど意欲的な姿勢が次々とみられるようにもなりました。

 

育てたトマトを初めて口にした時には、「おいしい、やっぱり自分で育てた物が一番や」と涙され、その後も毎日水やりを欠かさず行い数えきれない程のトマトが収穫できました。

 

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Aさんと出会い、その人にとっての大切な作業というものの素晴らしさを改めて実感する事ができたと同時に、一人ひとりの大切な作業は異なりそれぞれの良さがある事も感じる事ができました。これからも田畑に携わりながらAさんらしく日々を過ごしてほしいと願っています。

 

回復期リハビリテーション病棟

鈴木菜未(作業療法士

パーキンソン病患者・家族の会「のびのび友の会」

 今年度も、パーキンソン病患者・家族の会「のびのび友の会」で、家でできる体操の指導をさせて頂きました!

 

   今年度も滋賀県東近江保健所から依頼を受け、10月12日、パーキンソン病患者・家族の会「のびのび友の会」のみなさんに、パーキンソン病に関する講義と家でできる体操の指導をさせて頂きました。

   内容は、まずパーキンソン病の病態や体操の意義、手のふるえや最初の一歩が出ないなど日常生活で困った時の対処方法をお話しさせて頂きました。次に、家でもできる座った姿勢での体操を、実際にご自身で体を動かして頂きながら指導させて頂きました。最後は、参加されたみなさんから、日常生活でお困りのことなど多くの質問を頂き、一つ一つお答えさせて頂きました。

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 終了後のアンケートでは、内容について、「とてもよかった」が71%、「よかった」が29%との評価を頂き、またその理由としては、「とても参考になった」、「1日のほとんどは寝てしまうので…少しの間でも体が動かせてよかった」、「日頃トレーニングをやってみようという気になった」、「質問に対して丁寧に教えていただき嬉しかったです」などの前向きなご感想を頂きました。

 今後も、地域のみなさんのニーズに応えていけるよう、質の向上に取り組んでいきたいと考えております。

 

前川遼太、久保田友季子、中川めぐみ

 

 コロナ禍の中・・・参加者の多くの方が、この日を待ち望んでいた様子です。感染対策にも十分に配慮しながら、出来る限りこのような場を絶やさないように、取り組んでまいります。

 

総合リハビリテーションセンター

部長 石黒 望

 

外来にて失語症の方のオンライン家族交流会

外来にて失語症の方のオンライン家族交流会を実施しました。

 

   失語症のある患者さんは、自分の意思を十分に伝えることが困難であるため、コミュニケーションに支障や不安があり、地域社会への参加が大きく制限される場合があります。

   失語症患者さんに向けて、新型コロナ感染症が拡大する前は、念に数回、対面での家族交流会を行っていましたが、コロナ禍では、そうとはいかず直接会うことが叶わないため、今回はオンラインの交流会を企画いたしました。

 自己紹介から始まり・・・・病気について分かち合ったり・・・・会話を楽しんだり、リハビリでの様子を話す中、「生活の悩み」、「共に生活を送る家族の話」へ広がり、なかなか「上手く伝わらないことに関してけんかになることも・・・」と話され、うんうんとお互い頷き意気投合されていました。

 ご家族の意見が失語症のある方の励みにもなり、これからの生活の幅が広がる一つのきっかけになった交流会になれば・・・・・このような機会が地域社会へのステップアップを図る場になれば・・・と、改めて思いました。

 

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 当院では、コロナ禍で面会制限がづづく中、オンライン面会を実施しています。また、ST訓練の中でも、家族さんに協力をおねがいしオンラインで家族さんにも参加して頂きながらのコミュニケーションの場をブログラムとして設定することも、実施しています。

 コロナ禍での模索の日々かまだ、続きます。

 

言語聴覚士 上田麻美